蝉氷坊のブログ

 文殊会通信(読書、映画、美術、酒をめぐる片言隻句)ぶらぶらあるき(県内篇・県外篇)梵夫の時間(おりおりの日誌)

文殊会通信第19号 2014年4月1日

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海*堂  消息

 

●最近読んだ本

 

 インフルエンザ、大雪、檀務多忙、彼岸と続き、今月読了本なし。

 

▼今読みかけの本

1.『現代坐禅講義-只管打坐への道』/藤田一照/佼成出版社/2012.7

 

2.『科学者が人間であること』/中村桂子岩波新書/2013.8 

 

■これから読む(購入する)予定の本

『鎌倉仏教』/佐藤弘夫ちくま学芸文庫/2014.1

 

~今月のお題~

 

 今月は休みます。

 

●アート全般

法隆寺―祈りとかたち」仙台展/仙台市博物館/3月1日~4月13日 ★★★

 

東日本大震災復興祈念・新潟県中越地震復興10年」と銘打っている。

展覧会構成はリーフレットによれば

 第一部 法隆寺ーその美と信仰 法隆寺仏教美術

 第二部 法隆寺東京美術学校

 第三部 法隆寺と近代日本美術

とあるが、実際には第一部の「法隆寺仏教美術」は最終の展示室に別立てしてあったり,最初の展示室には現代の画家が法隆寺を描いた作品が展示してあったり、構成通りではないようだ。

 消失前の金堂壁画を多くの有名画家が助手や協力者を得て模写しているが、秋田の画家鈴木如空は助手など使わず独力で三度も模写したという。その2メートル以上ありそうな作品は精密でありながら迫力を持つ菩薩像だった。

 法隆寺に伝わる仏具や荘厳品、1300年前の制作とは思えないほど精巧なものもある。この展覧会の見所である仏像は、重文の阿弥陀三尊像と国宝の地蔵菩薩立像である。優美な観音・勢至両菩薩を脇侍とする端正な阿弥陀如来。そして雄偉な姿の地蔵菩薩立像は堂々として圧倒的な迫力を持つ。

 現代の作品の中には高村光雲作の佐伯定胤像があった。佐伯定胤は法隆寺管主を務め、さらに法相宗の管長に昇り、後に法隆寺を本山とする聖徳宗を興した。『冠導阿毘達摩倶舎論』などの著書がある佐伯旭雅に仏教学を学んだ。その木彫の像は柄香炉を持ち、立て膝に衣の裾を広げた姿で、生き生きとした描写に引き込まれた。

 全体に展示物はそれほど多くはなく1時間少々で見終えることができるほどだった。

 

 

高*庵  消息

 

 今月はお休みです。

 

 

蝉氷坊  消息

 

▼最近読んだ本

『おてらくご』/釋徹宗/本願寺出版社/2010.9

 

 落語と仏教のつながりは何も特別なことではない。落語のルーツをいわゆる説教に求めるのはかなり有力な説である。とりわけ、法然門下の澄憲(1126~1203)と聖覚(せいかく、1167~1235)の親子が創始したとされる安居院(あぐい)流の唱導を嚆矢とするという。

 落語に限らず、日本の伝統文化で仏教との関わりがないものはないといってよい。芸能や文学や作法や考え方といった要素は、いわば仏教という広大な森に生息する動植物に喩えられるだろう。

 NHKEテレで『趣味Do楽 落語でブッダ』を観たのを機に、番組の解説をしていた著者の本書を読んでみた。内容にとくに目新しい発見があったわけではないが、現役の僧侶(浄土真宗本願寺派)でもある著者の伝統教団に向ける視線は柔らかい。

 本書の主旨とは異なるが、著者は本書の中で宗教活動(布教)における説教・法話に、芸や娯楽性としての演出や技法を持ち込むことを厳格に排している。仏法を説く者は説き伝えることを本分とすべきで、受けねらいの技術は不要であるとする。宗教者ならだれでも法を説かねばならないし、法を説くことに巧拙はないということなのであろう。

 NHKテレビテキスト『趣味Do楽 落語でブッダ』(NHK出版、2013.12)も併読。

 

■今読みかけの本

1.『満洲事変』/緒方貞子岩波現代文庫/2011.8

 6ヶ月目。

 

2.『ルポ精神医療につながれる子どもたち』/嶋田和子/彩流社/2013.12

 2ヶ月目。

 

~今月のお題~

 

 今月は休みます。

 

●アート一般

1.『気狂いピエロの決闘』/アレックス・デ・ラ・イグレシア監督/2010/スペイン・フランス/WOWOW ★★★★

 

 一言、すさまじい映画。スプラッター場面など刺激的なシーン満載で、あらすじや予告編で知っていたら絶対に観ない種類の映画なのだが、今回タイトルのみに惹かれて観たら何とも意味深長な味のある映画だった。

 確かにカテゴライズがむずかしい。WOWOWの分類に従えば、ラブロマンス/青春/アクション/冒険/サスペンス/ミステリー/ホラー、と要するに何でもありのしかもてんこ盛り。カルト映画、怪作といわれるゆえんなのであろう。この分類にはないが、ファンタジーとみることもできそうである。私は人情ドラマとみた。

 ナイフで体を切り刻むなど、思わず目をそむけるシーンがあるので人に勧めることはないが、こんな風変わりな映画があることを宣伝したい。画面は内容通りに全体に暗く、『Dr.パルナサスの鏡』(テリー・ギリアム監督、2009)あたりのトーンに近いと感じた。

 ところで、この映画ではとてもなつかしい音楽が使われていたことで忘れられない一本になりそうである。『トランペットのバラード』という美しい曲で、映画ではラファエルというスペインのシンガーが歌っているが、私は昔この曲の入ったレコードを持っていた(たぶんニニ・ロッソの演奏)。40数年ぶりに聴いたが、繰り返し聴いた曲なのでメロディも記憶にあった。

 以前、D.リンチ監督の『ブルー・ベルベット』で登場人物がロイ・オービソンの「イン・ドリームス」を歌うシーンの素晴らしさに唸ったが、今回は「トランペットのバラード」のシーンに唸った。因みに、映画の原題 Balada triste de trompeta は「哀しみのトランペットのバラード」という意味とか。

 

2.「法隆寺―祈りとかたち」仙台展/仙台市博物館/3月1日~4月13日 ★★

 

【編集後記】

 通算19号です。

 東日本大震災3周年の3月11日、「慰霊と希望の集い」というささやかなイベントを開きました。縁を頼りにお借りした被災地の写真を見た方々から、たくさんの好意的な感想をいただきました。

 3月のある朝、位牌堂の二階に一条の陽光がレーザービームのように堂内の奥深くまで差し込んでいました。カメラを取ってもどってみると、光はすでに写真のように太くなってしまっていました。ここは窓が天井に近く高さもなく、また軒がかなり張り出しているので日の光がほとんど入ることがありません。たぶんこの時期だけ、それも日の出からほんのわずかの時間ぐらいではないかと思われます。

 長崎県にあるその教会は、一年に一回だけ祭壇上のキリスト像に正面から朝日が当たるように設計されている、というような紀行番組をテレビで見たこと。比較的最近のゴジラ映画や、インディ・ジョーンズの映画あたりにも一年のうち特定の日に特定の場所に朝日の光が当たることで何かが起きる、といったシーンがあったこと、などを連想したことです。

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蝉氷坊通信メンバー  蝉氷坊 1954年生   海*堂 1954年生   高*庵 1958年生   法*斎