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蝉氷坊のブログ

 文殊会通信(読書、映画、美術、酒をめぐる片言隻句)ぶらぶらあるき(県内篇・県外篇)梵夫の時間(おりおりの日誌)

文殊会通信 創刊号2012年10月1日

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From 海*堂

 

●最近読んだ本
『銃・病原菌・鉄』上・下/ジャレド・ダイアモンド著/草思社/2000.2 ★★★★

 

 上下で約600頁。最近、文庫化された。草思社文庫で約800頁。
 なぜ人類は5つの大陸で異なる発展を遂げたのか。著者は鳥類の研究で訪れたニューギニアでその国の政治家にこう質問された。「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」この謎を1万3000年前からの人類史をたどり、生物学、植物学、地理学、考古学、文化人類学言語学などの最近の研究成果を駆使して解き明かしていく。人種差別の蒙を啓く。大部の割には読みやすい。

 

▼今読みかけの本
『現代仏教論』/末木文美士著/新潮新書/2012.8

 

■これから読む(購入する)予定の本
 購入予定はありませんが、1980年代から現在まで購入したまま読んでない本がかなりあり、どこから手をのばしてよいやら。

 

●アート全般
 アートというわけではないのですが。


「スーパープレゼンテーション」/Eテレ 毎週月曜日午後11時~11時25分  ★★★★


 さまざま分野の研究者、実業家が意表をつく発想でプレゼンテーションを行う番組。

 

【編集人から】

この番組を知りませんでした。今日(10月1日)早速観ます。「さかのぼり日本史」という番組をよく観ますが、25分という放送時間は短すぎるような気がしています。「スーパー……」も25分ですね。

 

▼酒肴全般
大吟醸 謙信/池田屋酒造/新潟県糸魚川市 頂戴物 ★★★★


 大吟醸特有の香りがあって旨いとは思うが、後味に少しアルコールの刺激が残る感じがする。

 

From 高*庵

 

■最近読んだ本
『典型』/高村光太郎著/1950(昭和25)年刊/詩集


 己れの戦争責任と近代知識人と天皇制の問題とを激しく問うた岩手・花巻時代の詩。

 

『ストレスとうつがわかる本』/ひがしたによしあき著/テンタクル/2006.9 ★★

 

 数年前、現職研修の講師で来青した、真宗の住職で精神科医の著者からいただいた本。軽いタッチで読み易いが、類書も多いのでは……。

※私の読書量は極めて少なく、また範囲も殆ど限られ、なおかつ新刊書は殆ど読まないので皆様のご参考になることはあまりないと思います。
 さらに時間の関係から最近の読む対象は詩歌が多く(漢詩、俳句、短歌、現代詩or近代詩?)、おまけに50年半世紀以上経ったものが殆どです。
 仏教系のものも読まないんですが、知の最前線的なものも読まないもんで時代からも業界?からも取り残され、孤島状態です(笑)。

 

【編集人から】

『典型』の評価、次回に忘れずにお願いします。最近読んだ本、今読んでいる本が近刊書である必要はありません。書棚に並んだ本のタイトルをずらっと書いてくれてもいいですね。

 

●今読みかけの本
『ぼくの現代詩入門』/北村太郎著/大和書房/1984.12(絶版)


 学生時代に買って、30年間ほこりをかぶっていたのを読んでいます。
 杜甫の詩集、虚子の句集、啄木の歌集etc……。

 

▼これから読む(購入する)予定の本
 『河原ノ者・非人・秀吉』服部英雄著(山川出版社)という本が評判になっています。蝉氷坊さん向きの本なのではないでしょうか? 秀吉の出自や秀頼は実子ではなかったという説や……。

 

【編集人から】

送っていただいた朝日新聞の書評(掲載省略)を書いているのが田中優子(法政大学教授)ですね。この人の『カムイ伝講義』(小学館/2008)はおもしろいですよ。

 

■アート全般
 ここしばらく生(なま)のアート(展覧会、映画、音楽等)に触れていません。
 5月に六本木のサントリー美術館で「毛利家の名宝展」と称して雪舟の「山水長巻」が展示されていたのを見に行かず、後悔。日本人として「山水長巻」観なくちゃ死ねないでしょう……と言っていたのに。
 7月に竹橋の近代美術館で大正期の日本画家(かなりマイナー)「吉川霊華(きっかわれいか)展」も見に行かず残念!
 あっ、そういえば7月下旬に七戸町の鷹山宇一美術館に写真家の「秋山庄太郎展」を見に行ってきました。予想以上に良かった!2時間、観客は私たった一人だけ!

 

●酒肴全般
 最近は暑くて暑くてビールウグウグの世界で、ロクな酒も飲んでいません。
 いつも安いサントリーの「金麦」を飲んでいると、お中元でいただくエビスとかプレミアムモルツが苦く感じて、それこそ苦笑いです。
 日本酒は「一の蔵無鑑査」が私の定番ですが、新潟の淡麗辛口あっさり系が好きです。

 

From 蝉氷坊

 

▼最近読んだ本
原発に「ふるさと」を奪われて』/長谷川健一著/宝島社/2012.3(恵贈本) ★★★★★

 

 宝島社の出版物に何となくうさんくささを感じていたので、読む前は少し警戒したがこの本に関しては杞憂だった。内容の生々しさと迫力に一気に読み終えた。
 東電副社長に対して女子高校生が発言するくだり(89~90ページ)。
 「高校の友だちが次々に避難していなくなる。将来、子どもが産めなくなったらどうするのか。子どもが産めない体になるのではないかと不安です」
 と訴え、東電側が、
「いろいろな対策を取り、そうならないように努めています」
 と答えると、
「だったら、もっと早く避難を呼びかけてほしかった」……
 それに続く著者の発言中、「お前らに俺らの気持ちが分がっか」ということばに思わず落涙してしまった。
 著者もたびたび述べているように、原発事故の賠償責任は第一義的に東京電力にあるのは間違いない。福島原発事故の初動対策は「政府も東電も」後手後手に終始した、といった表現をよく目にする。「政府も東電も」は、「政府と東電とが一緒に」という意味であり、「国と大企業とが」となる。すなわち、政界・官界・学界は明治以来一体となってこの国の富と権力を独占し続けてきた。独占するための法律作り、人脈作り、マスコミ対策、大衆操作に腐心してきた。そのことが多くの企業犯罪を生み出してきた。古くはハンセン病、近年では水俣病、最近では薬害エイズなどがその典型的な例であろう。そして何より戦争、である。構造は何も変わっていない。

 

■今読みかけの本
『映画の中のアメリカ』/藤原帰一著/朝日選書/2006.3
カフカ短編集』/池内紀編訳/岩波文庫/1987.1

 

●これから読む(購入する)予定の本
 海*堂さんお勧めの『銃・病原菌・鉄』、高*庵さんの『河原ノ者・非人・秀吉』、どちらもおもしろそうですね。読んでみたい。

 

■アート全般
映画「モーリス」/ジェームズ・アイヴォリー/1987/NHKBS ★★★★

 

 公開当初から気になっていた映画。劇場で観る機会を逃してから、テレビでもなかなか放送されなかった(と思う)。

 映像が美しい。この監督ならそれも当然か。映像美は男性の同性愛を題材にしていても損なわれることがない。けれども、裸体、特に男性の裸体というのは本来的に映像向きでないのかもしれない。西洋人のシルエットを持ってしても、美しい裸体というのは絵画や彫刻の世界にこそふさわしいのではないだろうか。

 モーリスとアレックが惹かれ合う過程が、今ひとつ分かりにくいのが難点で、星一つ減点。


映画「おおかみこどもの雨と雪」/細田守/2012 ★★★★


 TOHOシネマ下田で。同じ監督の「サマーウォーズ」 (2009)も良かったが、これもなかなかの力作。あり得ないシチュエーションから始まり、母親と子どもたちが成長し自立していく約二十年を描いた家族物語。

絵画「フェルメール光の王国展」


 6月に銀座のフェルメール・センター銀座。現在確認されている作品37点の複製画(re-createというのだそうだが)の展覧会。開場時間を待って入ったときは数人だったギャラリーは、30分もすると超満員に。フェルメールの全作品を見ることができたというのに、何だか空疎な気分になった。いつもだったら必ず買う図録も買う気になれなかった。
 口直しというわけでもないが、世田谷区岡本の静嘉堂文庫美術館に。一度行ってみたかったところ。静嘉堂文庫創設120周年・美術館開館20周年記念―受け継がれる東洋の至宝『PartⅠ 東洋絵画の精華―名品でたどる美の軌跡』展という企画展。
 静謐なたたずまい、小さいがゆったりした展示空間、物静かな入場者(10人程度)、心休まる贅沢な時間を過ごした。ただ、会場が暗すぎて掛軸などの画が見えにくいのがちょっと残念(スポットをかなり暗めにしている)。

 

●酒肴全般
 ワインはあまり飲まないのだが、妻が口にする唯一のアルコールなので(ほんの一口だが)、たまに買う。と言っても、千円以下のものだけ。ワイン通(第4教区Y寺、第5教区T寺)からの情報と、店頭での当てずっぽうという心許なさ。最近では、キャンティ・ドン・アンジェロ(Chianti Don Angelo)の赤が、やや渋みが強いものの豊潤な味で、当たりだった。これは当てずっぽうの方。

 

【編集後記】
 第1号を出せました。早くに原稿をいただいたお二人には申し訳ありませんでした。
 さて、まず会の名です。三人会と仮につけましたが、芸がないのと、落語家の高座を連想させるのでボツ。「三人」をひっくり返して「人参」会、「人参」→「ニンジン」→「仁仁」会、と浅はかな文字いじり。で、とりあえず「三人」の連想から「文殊」会としてみました。どこに知らせるというものでもないので、いい名前があったらご提案ください。すぐ換えます。毎月違ってもいいかもしれませんね。
 次回からは、月1回、原稿依頼(連絡)日 毎月20日、原稿締切日 毎月27日、発行日翌月1日で、とりあえずやってみたらどうでしょうか。
 原稿の内容は、必ずしも項目に縛られることなく、過去の読んだり観たりしたものでも可です。長さは「短くなく」ということで。書くことが少ないときは、項目とは別なことでも自由に(例えば、時事ニュースや身辺雑記でも)。今回のファイルの1ページ分(約1200~1500字くらい)あるといいですね。
 ヘッダの写真は、むつ市常念寺さまの阿弥陀如来座像です。戦後に国の重要文化財になる前は国宝でした。7月に報效寺の護持会行事で拝登したときに撮らせてもらったものです。

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蝉氷坊通信メンバー  蝉氷坊 1954年生   海*堂 1954年生   高*庵 1958年生   法*斎